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             一流の映画監督から作曲のヒントを得る 私は常々、自分の生徒さんには一流の人物から何かを学ぶように言っています。音楽の楽曲を作る、作曲をすることに関して、作曲家やエンジニアなどの音楽業界のクリエイターから学ぶのはもちろんのこと、漫画家や落語家、棋士、アスリートに至るまで一流の人物からは学ぶものがたくさんあります。例えば映画。 クエンティン・タランティーノはパルプフィクションで有名になり、日本刀や演歌が作品に登場したり、登場人物がマッハgogoのTシャツを着ていたりするところから、日本文化も気に入ってくれている監督です。梶芽衣子のファンで、初めて対面した時は30分間ずっと手を握っていたそうで。(上の写真はタランティーノ監督の作品ではありません) タランティーノ監督の作品は重要なシーンでもカメラがあまり動かないことから、重要なことを伝えるのにあまり動く必要がないことを教えてくれます。 音楽も同様に動きすぎるのは効果的とは言えません。 似たようなことは、マーティン・スコセッシという映画監督にも言えます。ロバート・デ・ニーロを抜擢したTaxi Driverで有名になったスコセッシですが、彼の映画の撮り方も通常は平凡な定番の技術の連続で、ある見せ場になるととことん迄にこだわった独自の撮り方を駆使して妥協しないことで個性を強く描き出しているのです。 作曲でもある程度は定番の技を使い、聴いてる人の予想を裏切らない方が心地よく響き、自分の個性を出したいところは頻繁に出し過ぎない方が聴衆に伝わりやすいものです。 私は電子音楽で曲を作るのに、リズムや音程をグニャグニャ変化させる事で、見せ場やクライマックスを演出しようとしていた事がありました。 実際それは電子音楽の醍醐味でもあるので間違いではないのですが、後から聴いてみると煩く感じる場合があり、目まぐるしく変化するよりも、特定の見せ場でここぞとばかりに、音を変化させることの方が効果的である事をこの2人の映画監督から学びました。